元一条工務店の社員だった私が、自社の家を買わなかった理由

家づくり

こんにちは。
今回は少し個人的なお話をしたいと思います。

私はかつて、一条工務店で社員として働いていました。
業界屈指の住宅性能、徹底した品質管理、現場の厳しさも知っています。
だからこそ、一条工務店の家の「良さ」も「難しさ」も、身をもって理解しています。

にもかかわらず――
私は、自分の家を建てる際に一条工務店を選びませんでした。

今日は、その理由について、正直に綴ってみたいと思います。


■ 1. 性能は高いが、価格も非常に高い

一条工務店の家の性能が優れていることに、疑いの余地はありません。
断熱性・気密性・太陽光・床暖房……確かにどれも一級品。

でも、それに見合うだけのコストも当然かかります。
建物単体で見れば魅力的かもしれませんが、私の場合はそれだけに予算を振り切れなかった。

「家だけに全力」ではなく、土地や外構、庭、暮らし全体をトータルで考えたい。

それが私の価値観でした。


■ 2. デザインの好みが合わなかった

住宅は機能だけではありません。
日々の気分や暮らしに寄り添う「デザイン」も大切な要素です。

一条工務店の家は、どれも統一感があり、高品質。
でも私にとっては、もう少し自由度のあるデザインが理想でした。

現場で何棟も施工してきたからこそ、
「これは一条っぽい」「ここは自分なら変えたい」
という部分が見えてしまい、それが引っかかっていました。


■ 3. 性能と価格のバランス、そして“ちょうどよさ”を求めた

私が目指したのは、
「性能」「コスト」「暮らしやすさ」のバランスがとれた家でした。

「これで十分」と思える家を、無理なく建てて、無理なく住み続ける。
そのために必要だったのは、
「ちょうどいい塩梅」の選択肢だったのです。

一条工務店の家は素晴らしい。けれど、私には“ちょっと行き過ぎていた”。


■ 4. 自由設計でも、全ての理想は叶わない

一条工務店にも自由設計という選択肢もあります。
でも、実際には予算やルールの範囲内での自由であり、
理想を100%実現できるとは限りません。

たくさんのお客様と一緒に家づくりをしてきた経験から、
**「自由設計にも限界がある」**ことを、私は知っていました。

むしろ、ある程度“完成された型”をベースに、
自分で手を加えていける余白があるほうが、後悔は少ないと感じていました。


■ 5. 家づくりに時間をかけすぎたくなかった

社員として働いていたとき、
お客様が間取り決めや仕様選びに長時間をかけて、疲弊していく姿も多く見てきました。

自分が家を建てる立場になったとき、
「家づくりに振り回されすぎたくない」と強く思いました。

私にとって理想的だったのは、ある程度形が整った状態から、暮らしの中で工夫していく住まいでした。


■ 規格住宅でも“自分らしい家”はつくれる

最終的に私は、性能と価格のバランスが取れた建売住宅を選びました。
でもそれは「妥協」ではありません。

むしろ、「アレンジの余白」を残した暮らしに価値を感じています。

  • 家具を自作する

  • 庭をDIYで整える

  • 空間の使い方を少しずつ変えていく

そんな楽しみ方ができるのも、「完成しすぎていない家」だからこそ。


■ まとめ:自分の価値観に合った選択をすること

一条工務店の家は、今でも胸を張って「良い家」と言える。
でも、それがすべての人にとっての“最適解”ではないとも思います。

元社員だからこそ見えていたリアルと、
暮らし全体を見渡したときの優先順位――

それらを踏まえて、私は別の道を選びました。

これから家を検討する方には、
「性能」だけでなく、「自分にとってのちょうどよさ」も大切にしてほしい。
そう思いながら、この記事を書きました。

■ 最後に

もし現在、一条工務店での家づくりを検討中の方や、
それ以外でも住まいや暮らしについて相談してみたいという方がいらっしゃいましたら、
ぜひお気軽にメッセージをいただければと思います。

元一条工務店の現場監督としての経験と、
一人の家を建てた施主としての実感をもとに、
少しでもお力になれたらうれしいです。

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